感染根管治療をやり直した症例です。
1、下顎大臼歯が痛み出したので、冠を外した画像です。このままでは根管治療に必須のラバーダムを歯にかけれないので、歯の周りに壁を造ります。
2、歯の周りに壁を造ったのでこれからラバーダムをかけて顕微鏡下で根管治療を始めます。
3、術前のレントゲン写真です。画像中央の大臼歯の根管治療が不足しているのでここに細菌が溜まり、疼痛があります。ここを根管治療します。
4、術後のレントゲン写真です。画像中央の歯の根管治療が終わりました。細菌感染していた根管内を無菌化し、ここに薬剤を密封しました。痛みは全く無くなりました。この後は噛める様に精密な冠を被せる治療をします。
*、虫歯治療は精密に行おうとすればそれなりの難しさがありますが、感染根管治療はそれに輪をかけて難しくなります。これは目に見え難い領域を無菌化しなければならないからです。この為、実態顕微鏡の助けを得なければなりませんが、それでも見えない所が残るので、ここは指先のタッチで加減をしなければなりません。また細菌で汚染されている根管を綺麗にしますが、これが直線でなくカーブしている場合があります。その時は慎重に対応しなければ後処理が大変になる事が有ります。今回の症例でもレントゲン写真で見られる通り湾曲していましたが、御蔭さまでうまく治療出来ました。根管治療はかなりの技術と熟練が望まれますし、いずれのケースでも難症例のつもりでいなければなりません。