上顎の奥の方にインプラント埋入を計画しても上顎骨の厚さが不足しており、このままでは無理な事がままあります。ここに人工の骨を入れて手術する治療法は従来からありましたが、これは体の負担が大きく、強く腫れるのでインプラントを諦めて入れ歯を選択したものでした。しかし近年はこの治療法が改良され、痛みも無く、腫れもしないで対応出来るようになりましたので、当医院もこの改良法で埋入オペをして成功しています。
① 上顎第一大臼歯が欠損しています。患者様は入れ歯でもブリッジでもなく、インプラントによる修復を希望されました。
② 術前のレントゲン写真です。抜歯後に骨が吸収し、しかも上顎洞底が下方にせり出しているので、インプラントを入れるのに3mmほど顎の骨が不足していました。10mmのインプラントを埋入するので上顎洞底を4mm~5mm拳上する計画を立てました。
③ 術後のレントゲン写真です。上顎骨に張り付いているシュナイダー膜を人工骨粒で少しずつ押しあげてインプラント体を埋入しました。痛みは殆ど有りませんでした。インプラント先端部に白い顆粒がテント状に張りだしたのが拳上された人工骨です。これと天然の骨とが絡み合って強固な構造を造ります。
④ 埋入後4か月経過したのでインプラントの上の冠を造り、スクリューで固定しました。画像ではスクリューを入れるアクセス・ホール越しにスクリューの一部が見えています。このホールは冠と同じ素材で蓋をするので外から見えなくなります。